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一通の手紙から陶芸の世界へ。
美術展、伝統工芸展で受賞歴多数の
雲舟窯 内田和秀さん
【 松江で遊ぶ!大人のゆったり工芸探訪。中編】

陶芸

前編「国宝 松江城近く。メキシコ料理でお腹を満たす! Green’s Babyのブリトーランチ」はこちら

Green’s Babyから車で約10分。松江市法吉町にある雲舟窯の内田和秀さんに会いに行った。

内田さんは美術展や伝統工芸展への出展に重点を置きながら、普段使いの作品も作られている。

ほとんどの作家は普段使いか作品づくりかどちらかに絞って日々作陶するが、作品制作と普段使いの両方を制作する作家はそう多くない。

アーティストと職人としての感性の行き来を伺えるのが雲舟窯の魅力だ。

展示用に出品されるのは写真の「縹繧(ひょううん)」シリーズ。
「縹」は「はなだ」とも読み青色を表し、「繧」はグラデーションを表す。

深みのある青とグラデーション。特徴的な幾何学文様と白いラインが内田和秀さんの作品の特徴になっている。

備前での修行時代、窯焚きをする中で夜中から明け方に薪をくべることが多かった内田さん。暗闇から徐々に明け方に変わる空の静寂。その心象風景がこの作品にはこめられている。

お店には他にも「縹繧」シリーズがたくさんあり、ほかのテイストの作品も見ることができる。

そして、普段使いの焼き物にも内田さんの「らしさ」を感じられるものが多い。

縦に走る白い陰影と深い緑が印象的なコーヒーカップとソーサー。見た目以上に持った感触は軽く、カップとソーサーの質感が違う手の混んだ仕上がり。

「焼き物には備前の山土と磁気の土をまぜたものを使っています」と内田さん。備前の土は鉄分が多いが、特別に鉄分の少ない山土を使うことで白が美しく出るらしい。
軽さと強度のバランスを考えながらシンプルかつ個性のあるものを心がけているとのこと。

陶芸の道を志した時、ふと雑誌でみた備前焼作家の稲荷作先生に一通の手紙を送り、弟子入りを許されてから岡山での修行がはじまり、平成16年に、松江市法吉町にて築窯した年に県展にて入選。今後も精力的に美術展、伝統工芸展に力を入れて作品作りに励みたいとのこと。

そんな雲舟窯の内田さんと言葉を交わし、それぞれの体験を分かち合うことで焼き物と付き合うのも大人の贅沢。

「工房から出かけていることもありますが仕事場にいるときはお店にも立ち会えますよ」と内田さん。雲舟窯の普段使いの器が購入できるタイミングは今のうちかもしれない。

後編「松江に窯を開いて20年。焼き物好きが高じて生業にした陶風舎 松本尚子さん」はこちら


雲舟窯
住所:島根県松江市法吉町28−2
営業:不定休
駐 車:2台
電話:0852-24-5039
https://www.instagram.com/washuu_naiden/?hl=ja

キシタカユキ

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2020年から松江市へUターン。フリーランスデザイナー(グラフィック、イラスト、映像制作など)。ほかDIYのイベント企画運営、ビーチクリーンの団体活動など。...

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